文庫本

nekonyao2004-06-17

知人に薦められ、灰谷健次郎著「兎の眼」購入。
現在、半分程読んだが、面白いのと同時に自分の小学校時代をやたらと思い出す作品である。
小学校1〜2年のとき同じクラスに、耳の聴こえないYちゃんという女の子がいた。
ワタシと家も近所だったので、自然と彼女のお世話係のような感じになっていた。
本来は、1年生の時点で養護学校に行くべき程に、全く意思の疎通が出来なかったのだが、
彼女のお母さんが多分、意地になって普通小学校に入学させた!という感じであった。
彼女の日常は、ウォーターを理解する前のヘレン・ケラーという感じであったので、担任の50代
女性教師は、いつもヒステリックに怒鳴り散らしていた。
クラスの中は、いつも重い空気が漂っていた。
下校班では、彼女を含め5人程で帰っていたが、好き勝手な所に行こうとするし、急に叫び出すし
それを、なだめながら毎日連れて帰っていた。
いつも大人しい真面目なS君がある日言った。『僕はYちゃんが大っ嫌いだ・・・』と。
確かに、毎日毎日大変であったけど、嫌いという感情は不思議と無かった。
しかし、S君の言葉に返す言葉を見つけられなかった。
その後3年生になる時にYちゃんは養護学校に転校した。
兎の眼に出てくる、小谷先生や足立先生のような教師には恵まれなかったが、Yちゃんはワタシの
人生観にいろんな物をくれたような気がする。
ちなみにその後、彼女は養護学校卒で初の大手企業に就職ということで、ニュースに出た。
転校以降、会った事は無いが、今でも時々夢に見る友達である。