ヒジュラ

図書館で偶然見つけた本。 
ヒジュラを知ったのは、サイバラ旅行記情熱大陸)だったっけ?
と、よく考えたら、いや違う! インドをたくが嵩じて、インド人と結婚してしまった流水凛子のエッセイ漫画だ!
流水氏の描く所によると、怪しい集団ではあったものの笑えるギャグでしか無かったのですが、そんな単純な物ではないようで。
結婚式や、子供が生まれると強制的にやってきて歌い踊って祝う、半陰陽の人達??という認識(非常に気になる存在)だったん
ですが、要するに日本で言うところの、ニューハーフだとかオネェ系なんですね。
    ヒジュラ―男でも女でもなく
ヒジュラ 〜男でも女でもなく〜

しかし、ご祝儀が少ないと、自分の性器を見せつけて(どういう状態かはよーわかりませんが;w)、呪いの言葉を吐いて罵倒したり、
お金払うまで家の前で騒ぎ続けて嫌がらせをするので通報するも、警察も呪われるのが怖くて手を出せない領域の人達。
ボケーっとした外国人(主に日本人か?)が歩いているだけで、金銭を恐喝的に要求したり、意外と・・・てか、想像以上に難しい
存在でもあるようです。




しかしこの本は、アメリカ人女性教授が数年間に渡り、30〜40代の数人のヒジュラに取材。
今までに無い程、詳細にヒジュラという人種、共同体がよく分かります。
という訳でそういう立場の人達が生きてゆくためには上で書いたような言動も仕方が無いというか、暗黙の了解、そして宗教的歴史、
シャーマン的な要素、カーストによる深い差別と不幸が隣り合わせで、そう生まれついた宿命的なものに読んでいるだけで絶望して
しまう。 この世はあまりに不条理で・・・
という訳で今までに無く、深くヒジュラの世界を知る事が出来ましたが、自分の人生観にも底知れぬ影響を与えた一冊でした。



※追記。
ヒジュラは、カーストからも外れているようで、
アウトカースト(ヴァルナに属さない人々) 不可触賎民(アンタッチャブル)とも翻訳される。