百日紅

百日紅 (上) (ちくま文庫)  百日紅 (下) (ちくま文庫)


図書館本。1巻読了。
さるすべり は、実家に植えてあるので知っていたが、百日紅と書くとは知らなかった。
花の名前つうのは、当て字風で読みにくいものが多いなぁ。 季節的に紫陽花とか。





杉浦日名子氏、亡くなった時に、その作品が2ちゃんで評判が良く話題になっていたので非常に気になっていたので速攻借りた。
杉浦氏といえば、月刊ASUKA創刊時に何本か読んだのですが、当時は学生だった為その良さが全く理解出来なかった。
ASUKAは、衝撃的な創刊だったような気がする。 テレビCM、電車の中吊り広告に、山岸涼子のイラストが溢れていたことと、
絵は下手でも、可能性のある新人をどんどん発掘していたり。 角川書店ならでは!という感じ。
売れっ子作家を、白泉社からどんどん引き抜いて来た感も。
そもそも、山岸涼子白泉社と揉めて、日出処の天子番外編の連載が話の途中でブッツリと切れて終わる!?という、
後にも先にも、あれほど前代未聞の最悪な展開は無かったのを、一年後にASUKAにて連載再開した時は、心底感激した。





そんな新しい物を探求していたASUKAだからこそ、少女漫画誌にしては異端?の杉浦作品を載せたのであろうと推測。
今、あらためて杉浦作品を読んでみると、素晴らしいんでございます。
上手い下手で言うと、絵はアレ・・・なんですが、江戸研究の第一人者であるだけに、なんだか本当の江戸世界に迷いこんだような。
有名な、北斎などの天才絵師の日常が、リアルにそして駄目駄目に描かれているのも面白い。
江戸の有名絵師たちの、関係図的な物にも詳しくなれた。 歌川派とか。
多分、京極夏彦も、かなりの影響を受けているんじゃなかろうか。 巷説百物語系。






ちなみに、杉浦作品を発見して大喜びで本棚の前に立っていたら・・・50歳代?くらいの男性から
『杉浦さんの本、在庫が少ないでしょう?』と声をかけれる。(まだ、何か話したそうだった;) 
えーと。4冊もあれば十分なわけですが・・・杉浦作品をチェックしている人間を見ると声をかけずにいられない程の杉浦ファン?
有り得ないくらい初対面な上、静まり返った図書館で、そんな風に話しかけられても返答に困るので、やめて頂きたいわけで・・・
なんかこうね、よくこのくらいの年代の人に話しかけられるわけで・・・そういう星の下に生まれてるんでしょうか_| ̄|○