男女逆転大奥 

大奥 第6巻 (ジェッツコミックス)
大奥 第六巻 よしながふみ



今回は、綱吉の死を、こう描くかΣ!?と、いい感じに読者を裏切る予想外の展開に目が点。
という訳で、某所で某氏が「設定が怖すぎて手に出来ない」と仰ってましたが、確かに色んな意味で、その通りでごじゃります。
内容は奇想天外、SF恐怖時代劇(!)だと思うのですが、それ以前にこれを読んでいると、人間の恐ろしくリアルな
愚かさ醜さ汚さ を痛感いたします。
そしてこれが現実の人間世界の恐ろしき不条理さを見事に描き出しており、残酷な神が支配するに匹敵する名作。 




しかし逆に、この話の登場人物レベルに、病んで悩める者(?)にとっては、一筋の光のような神がかった素晴らしい
言葉(台詞)に号泣せずにはいられませんでした。
特に、6巻53ページの右衛門佐の叫びには、頭にカミナリが落ちたようなショックを受けつつ、なぜか癒されていく
自分に気づきました!?
以前にも書きましたが、海外のジェンダーフリーに関する文学賞を受賞しているのも激しく頷けます。
というわけで、男女逆転大奥・・・ベルサイユのばら等とは違った意味での、人生の聖書認定にしたいと思います。




ちなみに10月の映画化は、1巻部分のみ映像化だと思うのですが、続編として全巻を映画化して欲しい。
腐的な意味合い抜きにして、心底感服し、原作者であるよしながふみ氏に敬礼!な気持ちでいっぱいの今日この頃。