世紀末の少年達


映画 1999年の夏休み 金子修介監督作品


とある、篤志家の方より、スタジオライフの舞台関連DVDを大量にお借りした。
その中に、この作品も入っていた。 ・・・色んな意味で、筋金入りの御仁だ(尊敬w
1988年公開作品、深津絵里(当時15歳)デビュー作。
というか、1990年頃かな? 何気にレンタルして見た事あるんですよ。 何の前知識無く。
んで・・・これは、なんぞ? どう見てもトーマの心臓なんだけど・・・という強烈な記憶はあったものの、ストーリー展開は完全に忘れておりました。
4人の少年を、少女が男装して演じるというのは、男優だけで芝居をするスタジオライフの性を超越した良い意味で倒錯的な耽美感とダブる。
ちなみに、深津絵里トーマの心臓で言うところの、嫌われ者のアンテ・ローエ役。 
まぁ、この映画においては、深津さんの可愛らしい部分が盛り沢山ですが。 
しかし、あまりに若くて可愛くて腰抜かしましたw(撮影時は、中学生なのかな?)
というかむしろ、主人公のトーマ&エーリク役を深津さんが演じた方が良かったのでは?と感じた。
 
上の写真では向かって一番右がトーマ&エーリク役(悠・薫)、その隣がオスカー(直人) アンテ(則夫) 左がユーリ(和彦)。
というのも今回初めて知ったのですが、深津さん以外の3人の女優さんは、声を本職の少年専門の声優さんが吹き替えているらしい!? 
な、なるほど。 それで女性っぽさを感じず、あまり違和感が無いのだな。
という訳で物語の8割は、そのまんまトーマの心臓なんですが、ラストシーンがちょっと違うし、オスカーのキャラが粘着的で不気味な感じに
設定しているのは何故だ!?(゚Д゚)←オスカー大好き人間



あと、前回見た時にも謎だったのですが、膝の上にあるバンド?のような物は何??と思っていたのですが、あ!そうか!?
こりゃ、ハイソックスを留める為の、いわゆるガーターベルトの親戚筋のモノか!!とやっと気付く。
まぁ、こういう浮世離れした小道具も妖しさ倍増の演出のひとつなんでしょうな。
設定は、現代の日本なんですが、山奥の隔絶された退廃的な雰囲気の洋館・全寮制高校。 
その演出は、未来的とも見れるし、大正浪漫風にも見れるという、なんとも妖しい空間。
で、この印象的な洋館はどこなんだろう?と調べたら、横浜の大倉山記念館という所らしい。 いつか行ってみたい!
 
ちなみに、常々洋館に住みたい!と思うほどの私ですが、時々、ある種の洋館に足を踏み入れると何か(?)に憑かれて金縛り状態に
遇う事があります(何
以前、仕事で旧新日鉄本社ビル(創業が1901年なので、その頃建てられた洋館と思われる)に出向いた際、外から見た時は
『お!素敵な建物♪』と思ったのに、玄関に入った途端、一歩も動けなくなって難儀した事がある。
別に心霊体質でも、オカルト好きでも何でもない。 どちらかというとそういうのは信じない人。
しかし、すんげぇ怖かったのです。意味不明に。
他には、やはり大正だか昭和の初期だかに造られた歯科大付属病院の待合室で同じような状態に陥った事もありますし、姉の出産の際には、
古びた産院の分娩室で(出産後に)面会した際、このときは半分意識を失いかけて倒れた!
てな感じで、割と洋館には注意しなければいけない謎体質の猫田でございます・・・




と、そんなオカルト話は置いといてw
この1999年の夏休みという映画。 撮影技法というか、空気感が、岩井俊二監督作品の漂わすアンニュイでどこか懐かしい
雰囲気と似ていた。 というか年代的に、岩井監督が、この1999年の夏休みの金子監督の影響を受けているのかな?
20年前に見た時は、特に何も感じずそのまま忘れてしまった私ですが、今回はこの原風景的な作りの映画に心酔してしまった。
                   ・・・歳のせいか(・∀・;?w
当時は、1999年という言葉は、終末を匂わす印象的な年でしたが、それから20年以上経った21世紀の現在に思うのは、
特殊で近未来の序章と退廃文化が交錯した、やはり耽美で突出した不思議な年だったなぁ・・・と言う事であります。