歴史は変えられない

合葬 (ちくま文庫)


図書館本。 
あー・・・これは、なんと切なくて悲しい話なんだ。
幕末の、新政府軍との戦いで、徳川の為に命を懸ける若者達の悲劇は、どんな映画やドラマを見ても号泣してしまう者としては、
この話も、かなり精神に来た。 
かつて、どえらいこと泣いたのは、随分と昔に放送した年末時代劇の白虎隊だったなぁ。とか思い出す。
別の本のあとがきに、評論家の中島梓「杉浦日南子は、漫画家ではなく巫女だ」 と書いておりましたが、
なんかそれ納得するなぁ。
絵は決して上手く無いのだけど時々、作中の人物の悲壮な表情とかが実在の人間の業的な部分生き写しって感じで何度か
良い意味でゾッとした。
物凄く悲惨な展開だったけど、最後の番外編的な「長崎より」は唯一心が安らぐ気がした。
悲しいけど、忘れられない話として心に残る名作。