読書感想文風

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人というのは、立場が変われば人への接し方も変わる。 職業によって高圧的な態度になることも多い。
それについて不快な思いをしても、自分がその職業についていたら知らず知らずのうちに同じような高圧的で高飛車な人間になっていたかもしれない。
世の多くの人というのは、不遇の時代を過ごしている時は腰が低く落ち込んで弱気な性格で優しかったりする。
だが、その後運気が好転し、高い位置に上りつめると過去の自分を忘れて、自分がかつて不遇だった時に言われた【厭なこと、つらいこと、ムカつくこと】を
平気でこちらに向けて言うようになる。 そういう人間を何人も見てきた。 反吐が出そうだ。 だが、そういう人間のおかげで学んだ。 
立場が変わると人は、どんなにも残酷になれるという事を私は理解しているので、幸せな時も不幸な時も人に優しくありたい!という信念の元に生きている。
そう考えると、自分が今どん底でもそれに気付いただけ幸せ者だと思う。
ふと、そんな事を再確認したくなるような映画でありました。名作。
 





というわけで、今回鑑賞の 王の男  16世紀の韓国王朝と芸人を題材にした映画。
最初は、登場人物の美貌に惹かれて購入に至ったわけですが2時間、息もつかさない展開で視聴者を引き込む凄い脚本。
トータルで考えると、今まで世界で取り上げられた色んな話がミックスされたような話で、ありきたりといえばありきたりか?
とも思うのですが、暴君と言われる人間を作るのもまた人間。 そんな暴君にも抱えきれない悲しみがある。
王を想い、王を理解し、そんな王と魂の恋人である相方との板ばさみになる主人公。
彼に感情移入すると、本当に胸がちぎれそうになるくらい苦しくなった。
だからといって暴君が許されるわけでなく、そういう人物に生まれついた悲劇を哀れに思いつつ、人間は同じ過ちを何百年も
繰り返しているのだなぁ・・・と悲しくもなり。
ところで、クライマックスに目を塞ぎたくなるような残酷なシーンがあり、マジで目をつぶり手を目にあててその隙間から
見るという事態に陥る(汗) だからこの辺は3歳児並みの精神なんですってば(泣
しかし、その残酷なシーンがラストシーンで素晴らしい演出となって活かされていて、その流れに深く感動したのでありました。



さて、余談ですが。



萩尾望都の「偽王」を思い出した。 
どの時代にも、似たような暴君は発生するのだ。 
自分自身というよりも、まわりの環境がそうさせていく部分も大きいと思う。
という点において上に書いた個人的な感想を書くに至ったのでありました。



竹宮惠子の「風と木の詩」を思い出した。
優れすぎた美貌を持つと不幸になるのか。
ジルベールと、イ・ジュンギ演じる女形のコンギルがダブって見えて胸がギリギリと痛んだ。
人間の歪んだ性欲というやつは、本当にいつの世も同じなんだなぁ・・・と、激しい嫌悪感とイラだちと苦しみで涙ぐんだ。



木原敏江の「摩利と新吾」を思い出した。
コンギルと、その相方であるチャンセンは一応、同性愛的視点で描かれているようなのですが・・・
プラトニック・・・という言葉はこの作品には似合わないなぁ。
精神的な運命共同体。兄弟以上、恋人未満とでも言うべきか?
こういう強い絆と人間を心底愛する心を表現した作品というのは本当に好きだ。
あと、ラストシーンのせつない中にある究極の悲劇的美しさは、やはり木原氏の「夢の碑]シリーズの美を思い出させた。





悲劇だけが不幸ではない。 死を選ぶ事が悪ではない。 そんなことを考えさせれました。
実際に泣きはしませんでしたが、心の中の大切な場所を鷲掴みにされるような、そんな映画でした。




歴史系映画では、ラストエンペラーと、アマデウスが好きな私。 次点で覇王別姫か。
しかし、どの映画も随分古い作品。 これ以降、私の心を揺るがす映画には出会って無かったのですが・・・
この「王の男」は、確実に胸の中に何か巨大で重く、そして爽やかな風を残していったように思います。
実在の歴史とフィクションが混ざったという点では、ラストエンペラーを超えるくらに好きかもしれない。
映画の展開もさることながら、ラストシーンの素晴らしさは超名作映画だと言えると思います。
ただ、主役が美形だとか、同性愛的視点だとかで、ミーハー的に騒ぐだけでは絶対に駄目だ!!と真剣に思ってしまう、
そんな後世に残る良質の映画だと思います。





ちなみに、コンギル役のイ・ジュンギは、まだまだ新人なので演技が若干硬い気がしました。
あまり喜怒哀楽を出さないクールな役どころではあるのですが。
しかしまぁ、あれだけの美女によく変身できるもんだ・・・と、最初から最後まで呆然と見惚れていたのはお約束w
あと、チャンセン役の俳優さんと、王様役の俳優さんの演技力・存在感は圧巻。
目が離せない、素晴らしい役者陣を揃えた監督に心から感謝したいと思います。
DVDを購入して後悔しないどころか、買っといて良かった・・・とマジでホッとしていたり。
というか、初回特別版は異様にゴージャスなパッケージで、どこから開封するのか一瞬迷いましたわい!
何しろ、赤いリボンに金の模様が入った韓国風の封印がしてあるもんで、無駄にドキドキしちまったぜいw




というわけで、摩利先輩は必ず見れ!(つうか、出来れば買え?)みたいなw
くめ乃王子は・・・「妹よ、お願いだから買ってくれ!」(トヨエツ@兄さんお願いだから死んでくれ のパクリw)みたいなwww




あ。ミクシのニュース記事に、→ 「韓国一の美青年は高所恐怖症」 という記事が!!
こりは・・・イ・ジュンギのことに違いねぇ!!!とクリックしたらビンゴ(*゚∀゚*)
王の男DVD発売記念かしらん? とりあえず画像は保存してみたw