ガイシ

ミカセ

ミカセ

この作品事体、というかこの作者の著作はまだこれ一作しか読んでいないので何とも言えませんが、西洋風百鬼夜行抄?てな
雰囲気か。短編が何作かあるのですが、どれもかなり抽象的で難解なストーリー展開。 
が、森茉莉(鴎外の娘で耽美幻想作家)の作品を思い出させる絵柄が非常に雰囲気があって好きやも。




で、中でも「インスレーター・トゥリー・ストーリー」という作品のためにこの本を購入。
今年の初め頃、NHKの番組で碍子(ガイシ)をテーマにした話を見た。 その時紹介されたのが、この本。
その番組で紹介されるまで碍子というものを全く知りませんでした。
ちなみに碍子とは「送電線などにおいて電気を絶縁するために用いられる器具」。
もし番組を見ずにこの作品を読んだら、どういう姿のものかイマイチ雰囲気が掴めなかったと思う。
で、必死に検索してようやく見つけたページ → アメリカの碍子収集サイト
想像以上に素敵なのが揃っていて、このサイト見ているだけで癒されます。
  
ガラス状のものは、何十年か前のアメリカに多く存在したものだそうで、電柱が撤去される際にこの碍子を集めるらしい。
著者によると、アメリカの骨董市ではこの碍子コレクターが多く集まるそうで。
しかし、これといって使い道が無いものなので、自分なりの飾りつけでその美しさが生きてくるものらしい。
メーカーによって、形も色も様々なようで作品の中ではこれがひとつの電柱にクリスマスツリーの飾りのように描かれていた。
日本では中々入手困難な気がしますが、すっかり私もこの碍子に魅了されました。
機会があれば是非、ひとつは欲しいなぁ・・・。