かもめ食堂

かもめ食堂 [DVD]
映画「かもめ食堂」。 
大事件が起こるわけでなく、ふしぎなゆるさのある映画。
この監督の作品は「めがね」同様、空気感が、どこかで見た美しいデジャブ的で好きだ。
若い頃、たとえば10代で見ていたら、つまらなく感じたかもしれない。
なにか、人生で色んなものを背負って、苦しんだり、悲しんだり、でも笑ったり、多くのことを乗り越えてきた女性(人)達の人生の一場面、
生涯出会う事の無い名も無き人の生活を垣間見れる展開が、たまらなく心を打つ。
ああ。群ようこが原作なんですね。 原作というか、この映画用に書き下ろしたとか。
監督も女性ですが、こういう展開を的確に感動的に描けるのは、やはり女性作家の良いところだと思います。
ちなみに全フィンランドロケと聞いていたので、はて・・・この面子(小林聡美もたいまさこ片桐はいり)で、北欧って一体(・∀・;;と、思いましたが、
しかし上手い事ムーミンネタなど織り込みつつ、現実的かと思えば謎めいてファンタジックに完成されています。 
密室劇的な雰囲気もありますが、店の窓から見える街並みが綺麗。 猫も隠し玉?で登場するのがポイント高し。
ウィキを見ると、ドラマ「すいか」が原型となっているとかで、ああ、なるほど。面白いはず。
ていうか、すいかファンの自分にしては見るの遅杉ってやつだな。反省。




さて、食堂なので料理シーンが多いのですが、この映画を見ていて気づいた。
私は、揚げ物が好きなんですが、食べる事より、揚げる過程が好きなんだと。
主人公が、トンカツやら、唐揚げを作ってるシーンを見るのが楽しくて嬉しくてワクワクしてしまった。
ここの店の雰囲気が西洋的な意味で風流なのも、その楽しさに輪をかけているのかもしれませんが。
ところで、この店は実在する店を借りて撮影したようですな。
ぐぐっていたら、偶然旅行中にそこの店で食事した!という方の写真を見つけて、大変に羨ましかった&感動しました。