恋焦れた画家

 
門司・出光美術館ルオー展に行って参りました。
ルオーに出遭ったのは、高校の美術準備室。 
美術部顧問である、うえまっちゃん(2007年4月参照)の使っていた絵の具の箱の中に入っていたミニ絵画カードに、上に掲載している絵が
入っていたことに始まる。 その小さなカードに一目惚れをし、ジョルジュ・ルオーという画家を知った。
シャガールルノアールゴッホユトリロ、モディリアニ、キスリング、ピカソ・・・など、個人の作家ごとの美術展は頻繁に開催されますが、
その恋焦がれるルオー展というものは今まで皆無だった。
近隣の市立美術館の絵画リクエストに、10代のころ何度も「ルオー展希望!!」と書いたものだ。 



 

昨年夏、東京・出光美術館でそのルオー展開催の報せを、某氏のブログで知った。
速攻、門司出光サイトを調べに走ったが、開催予定はまだ載っておらず悲しみに暮れた。
が、その某氏いわく『そのうち門司にも流れるだろう。根拠はないが、なんとなく』と予言なされていたが的中!

               神降臨

          
てなわけで、知らないうちに展覧会やっていた! <4月〜6月まで
国営の美術館・博物館はテレビCMなどで告知するので、見落とすことはないが、
この手の企業系美術館は開催情報が掴み難いのが難点ではある。 
今回も、実家でとっている新聞屋が無料チケットを持ってきたので開催を知ることが
出来て、マジ感謝!!! ジーザス!
うちは毎回、美術館チケットをくれくれタコら!(何w と騒ぐので、最近は何も
言わずにポストに入っているらしいw



というわけで・・・これだけの作品量、一生に一度遭遇できるか?クラスの感動。
ルオーは、画集とかではその魅力は伝わらない。 この迫力の筆遣い、塗りこみは、
実際に見ると心底圧倒される。
適当に、ガッシガッシと塗っているようでいて、無駄な線など全くない。 
その確実な描写力は天才系。
師は、これまた私の好きなモローであるが、モローの緻密で繊細・耽美な画風とは
違った魅力の宗教色が心地よい。
しかも現在、聖☆おにいさんにハマっていることもあり・・・絵、一枚一枚のタイトルと
背景、説明文を隅から隅まで熟読。



「受難」「磔刑」「もう私を見るのをやめよ」「十字架の道」「辱めを受けるキリスト」「マリアよ、あなたの息子は十字架の上で殺されるのです」
「墓の歌」「出現(上の画像)』
 などなど、一連の流れで大量の絵が展示。
凄く小さい絵で、白いマルが描かれているものがあり、はて?これはなんだ??と近づいてよく見ると・・・しゃれこうべですた・∵;(ノД`)ノよしあくーんwww
母(限りなく無神論者に近い仏教徒)が、磔にされ辱めをうけるキリストの絵を見て
『まぁ。。。キリストさん、辛い目に遭ったねぇ・・・』と、心底同情していたのは、ちょっとウケたがw
というわけで、聖☆おにいさんのファン的にもオススメの展覧会です。




他には、この一連の作品を買い付けた出光社長の娘の肖像画が一枚あったのですが・・・どっからどうみても、未開の地の原住民のような風貌(・∀・; 
あと、ミレーの落ち穂拾い風の田園・農耕の夕暮れ的な絵は、どこか原風景にも似た哀愁で、心打たれる。



現在、日本ではあまり知名度の無い画家のような気がしますが、1900年代初頭にルオーブームが起きたことがキッカケで出光の社長が
まだまだ海外が遠かった時代に、ルオーの上得意様として買い付けたことは、今となっては本当にその美術に対する発掘力と眼力と財力!に
感謝せずにはいられない。
見に行ったのは少し前なのですが、見た直後は放心状態で言葉にブログに出来ませんでした。
というわけで、一生に一度出遭えるか?なので、6月の展覧会終了までに、もう一度見に行こうかと思うのでありました。