衝撃的、トーマの心臓

先日、チラっと記述しましたが、NHK放送の舞台トーマの心臓を見た。
9年前にも同じ演出・脚本で放送したのを見た事があるのですが、そのときは『トーマの舞台って一体!? ひぇぇぇ』 
と驚きつつ非常に上手い事作り上げてるなぁ・・・と心底感心した。
          

演じるのは、男性だけの劇団スタジオライフ。 なので、娘役も男性が演じる非常に耽美な劇団。
上の写真で言うと、ダブルキャストなので、向かって右の二人はオスカー役。
その横の本持ってるのは、ユーリ。 その横が、エーリク&トーマ二役。 そして一番左端も、ダブルキャストのユーリ。
今回放送は、この左端のユーリ初抜擢の俳優の回が放送らしい。




放送時間が深夜1〜4時頃で衛星放送、登場人物がドイツ人であるとはいえ、15歳の少年が煙草吸ったり、
リンチされたり・・・てな内容をよくNHKが放送許可してくれたもんだ・・・と、別の意味で驚く。
今回は9年前とは別の俳優が演じているのですが、まぁ一度見たことある舞台(9年前のユーリは右から2番目の人)だし、
とりあえず萩尾作品なんで録画しとくかな?レベルで特に期待していなかったのですが、再度見たら・・・死ぬほど嵌った(!)
原作を読み込んでいたのは10代の頃で、成人してからは読む回数は減ったというか、もう台詞のひとつひとつが
脳に刻み込まれているレベルの私。 なので、今更なんでこんなに嵌る!?堕ちる!?!?





という訳で、色々考えて見たのですが、9年前の俳優も良かったのですが、まず一つは、今回のユーリ役であるスタジオライフの
青木隆敏という役者さん。 以下、通称=青木ユーリに悩殺されたのかもしれないと。
放送中、ちゃんと録画出来てっかな?と、チェックした初見では『え!?こんな普通の兄ちゃんがユーリΣ(゚Д゚)?』 と、
肩透かしを食らった感が否めなかったのですが、正式に見始めてみると、ものの数分でその圧倒的なユリスモール色の
演技力&眼力というかオーラに悩殺された。
なんかこう、顔立ちではなく、原作のイメージを守りつつ、独自のユリスモールを創りあげて、原作を超越してしまった
ような演技が素晴らしくて、個人的に速攻スタジオライフの北島マヤ認定! 青木ユーリ・・・恐ろしい子ww
というわけで、青木ユーリ様・・・当初の無礼な発言を、許してください〜っ
と、サイフリート的、靴に土下座状態の今日この頃(ノ∀`)あほ←




・・・しかし、まずいなぁ。 劇団系に転んでも、実際に見に行くのは地方者には難しいので辛いなぁ(しくしく
で、仕方ないので舞台トーマの心臓をこの2週間毎日エンドレス再生Σ!;  毎度お馴染みの廃人クオリティ\(^o^)/
いや、しかし、そんな毎日見たら、ストーリー的に、怖いから&精神的にヤバイから_| ̄|○
というのも、トーマの心臓に再度嵌るというか、見方が変ったというか、ショックだったのは、少し前に出版された
萩尾望都40周年記念本で、アメリカ人で日本の大学教授であり、文化人類学者兼漫画評論家萩尾望都の熱狂的ファンである
マット・ソーンという方と萩尾先生との対談で、彼の見解として
『ユーリが翼を引きちぎられたという表現のリンチ=性的暴行である』 という論文を書いたらしい。
それを見た日本のファンが怒り狂ったのですが、僕はそう解釈しました。と。
それに対し、萩尾先生は曖昧に返すどころか『あ。そうですね』と、あっさり肯定。




なんですとーΣ( ̄□ ̄;!?Σ( ̄□ ̄;!?Σ( ̄□ ̄;!?青天の霹靂




吐血。腐女子としての解釈力があまりに迂闊だった・・・・・・。
そ、そ、そう言われてみれば、そのとーりの展開だ(汗
連載時期が、昭和40年代なんでまだ露骨に描けなかったのだ!!!!!と気づいた。
彼が言うには、残酷な神が支配するは、トーマの心臓の進化・大人版だと・・・・・・・・・。
(まぁ、いくら腐人間つっても最初に読んだの中学生の頃なんで、そこまで深読み出来んわな。いくらワシでも、純粋な乙女だったのよ?これでもw)




話はさかのぼり数ヶ月前に、風と木の詩を読み直して感動とショックを受けた事は記述しましたが、同時期に
ふぃんく氏推薦の「戦後民主主義と少女漫画」というエッセイを読み、その中で稲垣足穂の「少年愛の美学」に関する
記述があり、ああ。そういえば、24年組少女漫画家に絶大なる影響を与えた有名な本だよな?ということで、
これを機に購入してみた。半年ほど前の話。
そして・・・かなりハードな内容(エッセイ)に、茫然自失で半分地点で挫折し、感想が全く書けなかった。
少年愛とか可愛い物ではない。 
難解、そして崇高で残酷で、ノンキな腐人間が簡単に手を出して良い本ではなかった・・・
で、これを、竹宮惠子萩尾望都山岸涼子などが読むと、ああいう作品に仕上がるのか・・・・と、その天才の
解釈・創作ぶりに良い意味で戦慄した次第。
                     
という色んな情報をインプットした上で再度見る、舞台トーマは・・・震えずにはいられませんでした;;;
何しろ、リンチを受けるシーンで、ユーリが悲鳴をあげるのですが、その声が頭に焼き付いて(血涙
原作の方では、一コマだけで表現しており、悲鳴は無言で表現しているのも、また別の意味で怖いんですけども、
舞台は恐ろしくリアルで(汗
ちなみに私は、何度か今までも書いてますが、残酷な神は読んでいません。(3巻で挫折)
トーマはギリギリ読める内容ですが、なんだろう? ある意味、病んだ人間が読むと、毒をもって毒を制す?みたいな
感じで、癒されていく自分に最近気づき、この手の作品の存在に感謝せずにはいられない。
色々な物が融合した結果ではありますが、それも今回の舞台に嵌るキッカケのひとつなのかな・・・?
          
んで、この舞台でずっとかかっているのが、アベマリア。
9年前放送の時から、ある意味この曲がトラウマと化し、街中やラジオ等からふとかかると良くも悪くも怯えた。
が、なぜか今回、この曲が癒しになっている事に気づく。
・・・やっぱ、カトリック教徒になろうかな(何
今頃きっと、ユーリは立派な神父様になってると思うし( ´∀`)←そこか!?w